台北の故宮博物院で中国の絵図を見た話など

2023年9月。私は台北を訪れました。いろいろ面白い体験がたくさんできましたが、その中でもまちトドンっぽい(?)話題を紹介します。

この記事は、まちトドンアドベントカレンダー12月8日付の投稿です。なお、原則として、漢字は日本の新字体で表記します。

台湾を代表する観光名所、国立故宮博物院。中華民国の様々な宝物が展示されていますが、その中でも比較的マイナーと思われる「地図」を紹介します。

私が訪問した時、偶然にも(絵画ではなく)「図」の小企画展が行われていました。

展覽概述-院藏善本古籍選粹─彩繪圖籍

その展示では、中国の古い地図がいくつか展示されていました。江戸時代の日本の絵図はイメージがありましたが、中国のものについてはそもそも何も知識が無かったとこもあり、新鮮でした。

陝西鎮戦守図略

明代に作られた絵図です。

表しているのはここらへん? かなり広い範囲を描いているはずですが、ジオラマのように再構築されて表現されています。

山の表現がすごすぎる。岩壁の高さは宇宙まで突き抜けるがごとく、遥か山頂には雪を被っています。低い山々は白い紙面の上にぼやーっと浮いています。画面全体から、都からは遥かに遠く、信じがたいほど険しい所だと訴えかけてきます。

甘粛鎮戦守図略

こちらの絵図も山が壁のよう。日本の絵図のよりメリハリがありますね。「田」の模様が無いのも日本との大きな違いです。

浙江湖州府地輿図説

浙江省の湖州の絵図。この図はそこそこ縮尺が大きいようです。

山の名前が細かく書き込まれています。そこまで良いカメラを持って行ったわけではないので読めないけど。岩や木の表現は、庭を描いたよう。

広東省属各州府県地輿図説(恵州府河源県図及図説)

広東省恵州あたり。水墨画の世界です。広東省なら南の方だろうし、一年中暖かくて素敵なところなんでしょうね。


故宮博物院の見どころ

とても広い! 古代戦国時代から、清代、現代的な弟子だる技術を活用したインタラクティブな展示まであり、本当に丸1日かかってしまいました。

博物館の一押しで、実際に人気もあるのが「玉」。白菜や豚の角煮を模した玉はとても人気があり、故宮博物院のキャラクターは白菜です。日本ではそれほど身近ではないですが。

青銅器

私が特に気に入ったのは、古代の青銅器。

剣、壷、矛、鼎……。何千年も歴史がある象形文字。

水差しに足を付ける、までは分かりますが、獣の顔と耳を付けてしまう独創性には驚かされます。ちょっとアンバランスなのがかわいい。

まちトドンで呟いたら反響が大きかったです。

ただ、当時の倭人……日本人の心を鷲づかみにした鏡の展示はあっさりしていました(そもそも古墳時代の青銅器は朝鮮半島経由か)。

絵画

宋馬麟の道教絵画「三官出巡図」もカッコよかったですね。

公式サイトから高解像度の画像が見れます。
展覽概述-國寶聚焦2023-III

椅子の上に置かれた、神獣や水族のクッション。


そのほか、台湾で気になったこと

明かりがギラギラしている

日本でも全く無いわけではないですが、台湾では蛍光灯の灯具が鏡面になっているところが多かったように思います。また、LEDの表示機も日本のより少し明るいような気がしました。

台鉄の台北駅。文字が明るい。

台北101の巨大制振装置もキラキラしていました。このキャラクターの名前は金有銭(Rich Gold)、5人組のうちの1人です。気前が良くて開運法をたくさん知っているそうな。

捷運の駅。照らし方にメリハリある感じ、写真で伝わるでしょうか。

香りが良い

ペットボトルのお茶を買ったら、香りが良かった。ホテルに備え付けの石鹸も良かった。ごはんも香しい。旅先だからかもしれませんが。

台湾ではシェアが高い(と思われる)御茶園の紅茶。御茶園の緑茶も買って飲みましたが、日本の緑茶とは方向性の違う芳醇な香りにちょっと驚きました(美味しい)。御茶園は名前からしてかなり日本を意識した商品性で、このボトルにも飾りとしての日本語があります。街中でも装飾的な日本語をそこそこ見ました。日本でいとうと、外国人の利用を全く想定してはいないけれど日本語の他に英語を入れてみる、みたいなノリでしょうか。

よく動く

台湾の歩行者用信号機は、青信号の人が歩きます。バス停に付いている接近表示機も、接近するバスのピクトグラムのタイヤがぐるぐる回る。電車のドア上にある表示もよく動くなあという印象です。YouTubeから動画を引用。

蛍光灯の灯具の形とか、正直なんでもいいようなことではありますが、こういうことの積み重ねが、その土地ならではの空気を作るのでしょうね。

松屋

かわいい

騎楼

長くなったので終わります。来年も海外旅行に行けるよう、ぼちぼち頑張っていきます。