「中華フォント」という言葉に思うこと(2024年版)

私は2015年に「中華フォント」という語を考えるという投稿をこのウェブページに載せています。息の長い問題です。

まず、中華フォントという語が、どういう意図で用いられているのかを判断する必要があります。私は大きく二つの使われ方があると考えており、

一つは文字通り、中国語用のフォントで日本語を表示している場合

もう一つは、自分にとって読みにくい、見慣れないと感じたので、やや侮蔑の意味を込めて中華フォントと言っている場合です。


中国語書体のひらがな、カタカナの質が悪い。

「オマケ」の部分なのだから、質が悪くてもある程度は仕方がないものです。だだ、今後作られるフォントに関しては改善されていくでしょう。新しい中国語のフォントには質の良い(場合によっては日本人がデザインした)ひらがな、カタカナが入っていることもあります。

日本語書体のラテン文字いわゆる従属欧文は、ディセンダ (descender、「y」や「p」の下に伸びている足の部分のこと) が短いことが多く云々……という話と似ています。

中国語書体の漢字の字形・筆画や句読点・約物の位置が異なる。

国と文化が違うのだから、差があって当然です。見慣れているか否かという点が大きいのではないでしょうか。質の良し悪しとは別の話です。個人的には、漢字の質が悪い中国語書体というのは、ほとんど無いと思います。中国、台湾の方が漢字の本家なので。

漢字のバランスのとり方や好まれる重心の高さなどが国、地域によって異なるというのは確かにあるのですが、字の巧拙を評価する尺度は国が違ってもそう変わらないはずです。

ウェブページ、ゲームのUI、動画のテロップなどのフォントが中国語フォントになっている。

最近はこういう事例が多いですね。製作者側の知識の問題です。気になるようだったら、日本語フォントに差し替えるように働きかけてみる、とかになるんでしょうか。読者が気になってもどうにもできないことも多く、もどかしいですね。

中華料理店のメニューの日本語部分が中国語のフォントで印刷されている。

私はとても好きです。

中国が嫌い。

好き嫌いはしょうがない。差別は良くない。

文字のスタイルが見慣れていない、読みにくいと感じたので、日本語フォントを「中華フォント」と言う。

それはやめてほしい

  • 2024-06-21 公開

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