2018年の年末、親戚に会いに、福島県浜通りのいわきに行きました。
そのついでに2018年のシメとして、いわき市内にただ一つとなってしまった銭湯である仲の湯に入浴してきました。
福島県いわき市平南町67 2階
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不思議な立地、ビルの2階
仲の湯の特徴としては、なんといっても不思議な立地。
北側から仲の湯を見る。ビルの上に生えた煙突。
ビルなどの一階や中二階に入っている銭湯は見たことがあったけれど、ここは完全に2階。
この2階の窓の向こう側に、脱衣所と浴槽がある。……なかなか想像できない。
入口は2ヶ所あって、ビルの北側と西側から階段を上って入ります。
こちらは、西側の入口。
正直、ちょっと入りにくくはある。
階段を上ると、「営業中」の札が出ていました。
年末だったので、もしかしたらやっていない可能性もあると思いながら来たので、とても嬉しい。
伝統的な番台式な設え。入口は男湯と女湯に分かれているが……ここまで来てもまあ銭湯にはなかなか見えない。
ドアを開けて中に入ってしまうと、外観の意外性とは裏腹に、こぢんまりとした古き良き銭湯の空気が広がります。
高ーい番台に座ったおじさんの下が靴の棚(鍵は無し)になっていて、靴を入れて、入浴料金を支払う。
入浴料金の引き換えで、ロッカーのカギを貰いました。
ゆっくりと服を脱ぎながら見渡してみると、窓は少なめなものの、意外と普通のビル型の銭湯で、天井もほどほどに高め。浴室内は、おじいちゃんが2人、ゆったりと体を洗っています。テレビは無し。そのほか、現代を感じさせるアイテムもないので、もしかしたらまだこの空間は21世紀に入ったいないのかもと一瞬思ってしまう。
浴室の入り口には、ちびっ子の男の子と犬のキャラクターが愉快に描かれた福島県浴場組合のマナーポスターが貼られていました。福島県の銭湯の数はもうかなり少ないので、貴重な一枚。
年季の入ったロッカーの上には、びっしりと石鹸とシャンプーが並んでいます。
服を脱いで、持ってきた石鹸を持って浴室内に入る。
銭湯を幾つか回っていてわかったのは、古い銭湯ほど椅子が小さく低いのです。もちろん、ここ仲の湯の椅子も小さめ。
カランのお湯を出したら、はじめはけっこうぬるめ。しばらく出していたらあったくなってきました。
一通り体を洗ったら、浴槽に入ります。
カランの鏡の横には、地元のカメラ屋さんの広告が貼ってありました。いまはやっている店なのだろうか。
浴槽は、特に何もない浅い浴槽と、強力「超音波浴泉」共立式のある深い浴槽の2つ。シンプルです。
強力「超音波浴泉」共立式
「強力「超音波浴泉」共立式」が取り付けられた壁には、横書きの隷書風の文字で、
1万サイクル〜3万サイクルの不可聴の超音波が発生していて、骨のズイまで温熱で、殺菌で、油を乳化して毛穴までキレイになり、湯冷めしにくくて、健康と美容に良い、
みたいなことが長々と書いてありました。
実際のジェットは2つ付いてて、勢いは良いが、そこまで強くはない、むしろ弱め。2つの位置が離れているので、背中や肩に当てるのは本来の使い方ではないのかな? よく分かりません。
また、ジェットでここまで能書きがあるのは、珍しいかなと思いました。
1万サイクル(Hz)は普通に聞こえると思うが、そういう指摘は無粋ですね、何回か出たり入ったりしながら、超音波を感じました。
超音波から出たら、番台で牛乳を買って一服。
牛乳の入った冷蔵庫は、番台の向かい、男湯と女湯の壁の上に台があり、その上に器用に置いてあります。
どっこいしょ、とゆったりと番台のおじさんは腰を上げて、牛乳を取ってくれました。
ゆったりとした時間が流れている銭湯でした。
- 2019-01-13 公開
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