長崎孔子廟で狎魚を見て金鯱を連想した話

この記事は、まちトドンアドベントカレンダー12月1日付の投稿です。

名古屋人大好き、金の鯱(しゃちほこ)。私も名古屋に3年半住んでいたら、いつの間にかしゃちほこ大好きになってしまいました。名古屋人を魅了してやまない鯱は、一体どこからやってきたのか。長崎の孔子廟でそんなことを考えたという話です。

(上の金鯱の写真は、2021年6月の特別展の際に撮影。多くの人が金鯱に触るために訪れていました)

入場料がかかります。公益財団法人長崎孔子廟中国歴代博物館が運営。宗教施設っぽい雰囲気もあり、博物館なのか教育施設なのか、曖昧といえばそう。

孔子の弟子がずらーっと並んでいます。

石に彫られた論語です。

顔が良い。

魚を持っている人もいます。本を持っている人もいました。故事がきっとあるのでしょうね(不勉強なので分かりません……)。

屋根の上には竜が踊っています。

こちらの屋根には、建物を守る獣(百度百科によると、脊獣というそうです)が一列に並んでいます。

その中をよく見ると

これは……鯱!?


彼の名は「狎魚」(簡体字では押魚と書くこともあるらしい)。どちらかというとマイナーな獣です。本当は図書館に行って中国語の文献を漁るべきでしょうが、インターネット上でテキトーに調べたところ、さきほど紹介した百度百科や、運営者のよく分からないブログ運営者のよく分からない辞典に説明があり、「雨雲をつくる」「火を消す」「防災」などのご利益(?)のある神だということです。

「雨雲」に「滅火防災」……火事の際には水を吐いて建物を守るという鯱とそっくりでは? やっぱり狎魚は鯱なのでは? という気がしてきました。

ここで、鯱の由来の通説を確認してみましょう。手っ取り早くウィキペディアを見てみると、日本語版の鯱のページより中文版の鯱のページの方が歴史の記述が細かく書かれていました(誰か日本語の方に翻訳して……)。鯱は鴟尾という建物の屋根についている飾りが変化したのだと説明されています。

私の手元にあるズバリ「金鯱」という題の本(INAXブックレット92-2巻)にも同様に、鴟尾が変化したと説明されており、それに加えて、インド神話の怪魚摩伽羅(マカラ)との関連も指摘されています。同書からさらに引用させてもらうと、鯱は「インド亜大陸にルーツがあり、途中で中国大陸や朝鮮半島などの文化を拾い集めつつ日本に流れ着いた」「汎アジア的コスモロジーのモチーフ」だということです。

狎魚が鯱へと変化したわけではない、少なくともそのようには一般に言われていないことは分かりました。しかし、狎魚と鯱が全く無関係なのでしょうか。昔のことなのでなんとも分かりませんが、間違いないのは、鯱のような建物を守る魚みたいな神獣は、中国にもインドにもいるのです。その神々の中では、名古屋の鯱が一番愛されているのではないかなと思いますが。はい。


肝心の長崎孔子廟と中国歴代博物館ですが、力が入っているんだかいないんだか掴みどころがないあたりも含めてすごく中国ぽかったです。お土産売り場の雰囲気が特に。

長崎にお出かけの際は、ぜひ行ってみてください。おススメです。

コメントを残す